インタビュー
桐島ココ
大和田健介
佐伯日菜子
木村知幸
榎木孝明
桐島ココ
きりしまここ : 1993年、三重県出身。’15年、映画「校歌の卒業式 〜キボウノトビラ〜」で女優デビュー。同作品で第一回賢島映画祭主演女優賞に輝いた。公開待機作に、映画「海賊とよばれた男」がある。特技は、韓国語、フルート、殺陣。趣味は、読書、ジョギング、K-POPダンス、歌。
脚本を読まれた時の感想を教えてください。
共演の榎木(孝明)さんも「こんなに泣けた脚本はない」とおっしゃっていましたが、学生と患者さん、いろんな方の人生が丁寧に描かれていて泣けました。それに、私とあかねは同世代で、似ている部分もあったんです。初めて山際プロデューサーとお会いした時、私が生意気なことをぽろっと言ってしまい、ちょうどその頃に脚本があがってきて「あかねが隣にいる!」と思ったらしく(笑)。クランクアップの時、山際さんが「ココちゃんにお願いして良かった」と言ってくださり、ちょっとでも恩返しできたかなと思っています。
あかねのどういう部分が「自分と似ている」と感じましたか?
上から目線なところと少し生意気なところ、それと空気読まずにズバズバ言っちゃうところですかね。監督からも「ありのままのココちゃんを出してくれ」と言われたので、のびのびと演じさせてもらいました。そして、そんな無器用なあかねが、古村と出会い、徐々に成長する過程が描けていたらいいなと思いながら演じていました。
この映画はあかねが一人前の看護師になるドキュメントでもあり、桐島さんが女優として成長していくドキュメントにも思えました。
職業こそ違いますけど、私もあかねと同じくまだ駆け出し。これが本格的な長編映画デビュー作でもあるので、共演者の方々に迷惑をかけてはいけないとプレッシャーもあったんですが、いざ始まっちゃえば、どう頑張ろうかということで頭がいっぱいで。でも、クランクインの日、昼間に古村との出会いのシーン、夕方に彼が亡くなるシーンを撮ったんです。いきなり一日目が山場でした(笑)。
それはなかなかハードルが高いですね。
そうなんです。でも榎木さんは私の演技を温かく受け止めてくださいました。確かにハードルは高かったですが、あかねと古村の信頼関係もそこから生まれたような気がします。
役作りにあたり、看護師のお仕事を見学されたそうですが。
はい。看護師さんに1日つきっきりで過ごしましたが、覚えることはたくさんあるし、ずっと立ちっぱなしなので体力もないといけない。患者さんの気持ちも常に考えていて、精神面でもタフじゃないと務まらない仕事。私には非日常的な光景でした。劇中、睡眠不足に陥るシーンもありましたが、映画を観た看護師の方からは「こういうこと、よくある!」という反応もいただきました。
熊本でのロケはいかがでしたか。
人吉は、国宝の青井阿蘇神社があり、その前を球磨川が流れていて、私の地元の三重県・伊勢と雰囲気が似ているなと思いました。地元のことを少しでも知りたくて、人吉のお祭り「おくんち祭」にも参加しました。一年に一度の大きなイベントで、巫女さんの格好で行列に参加したんですが、道の両側でみなさんが手をふってくださって。「ディズニーランドのパレードってこんな感じなのかな?」と気持ちよかったです(笑)。
土地になじむ役づくりという意味では、熊本弁の習得も大変だったと思います。
熊本弁って、市によって方言が違うんですよ。エキストラのオーディションを地元でやった時も、みなさん、同じ意味でもまったく違う言葉を話していたり。使い方が間違っていると格好悪いので、方言指導の先生にいただいたCDでアクセントを練習しつつ、現場でも何度も確認して。映画を観た地元の方に「自然だったよ」と言ってもらった時はホッとしました。
熊本と言えば、ゆるキャラ“くまモン”も友情出演しています。
はい。あかねの勉強机にもたくさんのくまモングッズがありますが、劇中、絶対みんなが気づかないようなところにも実はくまモンがいます。あれ、気づいたらスゴいと思う。隠れミッキーに対抗して“隠れくまモン”。ぜひ探してみてください(笑)。
座長として本作に携わられて、仕事に対しての思いは変わりましたか?
本当に私は恵まれているなと思いました。「デビュー作、2作目ともこんな素敵な作品に出られるなんて珍しいよ」と榎木さんからも言っていただいて。私がダメだとこの映画自体の評価が下がってしまう。それだけは絶対に避けたいと思い、全身全霊であかねを演じさせていただきました。映画の中で描かれていることは、決して他人事じゃない。一人でも多くの方に観てもらいたいですし、この映画をきっかけに看護師を目指す人が増えてくれると嬉しいです。
今後、挑戦してみたいジャンルや役はありますか。
時代劇に出てみたいですね。今、日本舞踊と殺陣を習っているんです。どちらも役が決まってから練習していては間に合わないような奥深い世界。時間を無駄にしないよう、今は演じる上でのいろんな武器を揃えていきたいと思っています。
© 2015「スクール・オブ・ナーシング」製作委員会

頁上へ