インタビュー
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木村知幸
きむらともゆき : 1976年、京都府出身。主な出演作に、TV「救命病棟24時(99/フジテレビ系)TV「菊次郎とさき」(03/テレビ朝日系)、「特命係長 只野仁」(03/テレビ朝日系)、「にんげんだもの 相田みつを物語」(06/テレビ朝日系)、山田太一ドラマスペシャル・終戦60年特別企画「終わりに見た街」(05/テレビ朝日系)などがある。
脚本を読まれた時の感想を教えてください。
俊夫と同じように僕にも妻と子どもがいて、コンビニでアルバイトをしながら俳優活動をしています。劇中「嫁さんに食わせてもらってる」という俊夫のセリフがありますが、僕は食わせてもらってるつもりはなくても、周りからしたらそう見えるかなと思っているので、俊夫の葛藤には感情移入しやすかったですね。僕のための役じゃないかと思うぐらいに。
初めての映画の現場はいかがでしたか。
他の人と違って、僕の場合は明るいシーンが多かったので、最初は「ひょっとしたら“お笑い担当”として期待されているんじゃないか?」と思ったんです。だからここはひとつ攻めていこうと自分なりに面白く演じてみたものの、足立内監督から「あ、木村、そういうのじゃなくていいわ」って言われ、あ、そうですか……みたいな(笑)。そんな僕のドジに対し、患者役の愛華(みれ)さんは「ぶつかってこい!」的な感じで包み込んでくれて、演じやすい空気を作ってくれました。
演習や実習シーンでは覚えることも多かったと思いますが。
そうですね。血圧計を扱うシーンは、リハーサルだけで覚えることができなくて、何回もやりました。患者さんの足を拭くシーンも人一倍時間がかかってしまって。演習だからそこまで完璧にやる必要はないとしても、これから看護師を目指す人が「こんな仕事をしてみたい!」と思ってくれるようにしないといけない。僕の緊張や戸惑いがリアルに伝わっているといいですね。
熊本ロケ中の思い出深いエピソードを教えてください。
僕、“温泉俳優”って言われるぐらい温泉が好きなんです。この10年間で200回ぐらいは行っているんじゃないかな。熊本でも、エキストラの人にお勧めされて、一勝地の「かわせみ」という温泉に行きました。景色が最高でしたね。でもなんだかんだで一番良かったのは、泊まっていた宿の温泉かな。古びた温泉宿だったんですが、源泉100%で、入った瞬間に“本物”だって分かるんです。撮影の合間も空き時間ができたらすぐ入りにいってました。そのたびにメイクが取れちゃうから、スタッフさんには怒られましたけど(笑)。
この作品をきっかけに、看護や看護学生に対するイメージは変わりましたか?
劇中にも「学生たちは日曜日夕方になると月曜から始まる実習のことを考えて吐き気をもよおす」というセリフがありましたが、本当にその通り。演技とはいえ、実際に看護演習に携わってみて、とにかく緊張したんですよ。血圧計を扱うだけであんなまごまごしていたら務まらない世界。現場でいろんなプレッシャーと闘いながら仕事をしている看護師さんは本当に大変だと思いました。
この作品をどんな方に観てほしいですか?
誰もが直面する出来事を描いていて、こんなに老若男女観られる映画ってなかなかないと思うんです。バイト先でもチラシを一人ずつ配りながら宣伝しているんですが、看護師の人が多くて、学生も結構いるんですよ。看護に携わる人には特に観てもらいたいですね。そして、この映画をきっかけに看護師になったっていう人がひとりでもいたら嬉しいです。
そして完成した映画デビュー作。振り返ってみていかがですか。
39歳と遅咲きで現場でもたくさん迷惑をかけましたけど、デビュー作がこの作品で本当に良かった。僕にとっては宝物のような映画です。僕を大抜擢してくれた足立内監督には頭が上がりませんし、出会いって面白いなと思いました。それに、映画を観た嫁が珍しく褒めてくれたんですよ。「こんな素敵な作品に出ることができて良かった。やっと報われたね」って泣いてはりました。僕へのダメ出しはたくさんありましたけど(笑)。
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